さとえみさんの買い物はエンターテイメントにちなみまして♪
外食はエンターテイメント♪
この間、食べ放題のしゃぶしゃぶに行ってきた。
父母も一緒だったので、6人。
小学生2人、一般2人、60歳以上2人の料金。
安くはないけど、食べ放題、ガンガンいくぞ!
■ 会得する超絶能力
っということで、あてがわれたタブレットにて、
「はじめてのお客様へ」
を読み出した。
「長いね」
「うん、長い」
「この下の丸いやつさ、もしかしてスライドの枚数・・・」
言われて見てみると、灰色の●がならんでおり、1つだけ白丸。
スライドの移動に合わせて、となりの灰色が白にかわっていく表示のようで、どうやらスライドの枚数をあらわしているようだ。
「多っ!」
ただでさへ仕事が長引き、晩ご飯の時間が遅くなっている6人にとっては、苦行のような「おあずけ」をくらっている。
フリックする指が超加速し、他5人も写真にうつすように読んでいる。
どうやらフォトリーディングを会得したらしい。
ハングリー精神、偉大。
■ 会得する人間関係の極意
鍋2つが、ピザのハーフ&ハーフよろしく半分ずつに分かれているので、4つの味が楽しめるようだ。
豆乳フォンデュ、白だし、すき焼き、そして中辛チゲの4種類。
たかせ夫、そして父は、普段子どもがいて食べられない、辛い鍋を注文した。
6人いて4つの味を楽しめるのだから、どれかは自分が好きな味である、と言いたいが、
どうやら自分のほしい鍋を主張するよりも、とにかく食べたいナウ、なのである。
ゆずりあいの精神を会得した6人によって、鍋の味は即決した。
ハングリー精神、絶大。
■ 会得する「いただきます」の心
バイキング形式になっている野菜は見向きもせず、ただただ肉を頼みまくる。
タブレットに打ち込むだけなので、容赦がない。
「豚バラ4、つくね1,とり1」
「豚バラ5」
「豚バラ5」
頼んでもすぐ来るわけもなし。
いや、だって、人間だもの。
ということで、バイキングの野菜を見向く。
取ってる最中、テーブルキープしている父のもとに大量の肉が集合していくのを見るやいなや、喰らう者共も集合する。
4つの鍋に放り込まれる野菜、肉、肉、肉、肉、肉。
初めての子どもたちが、
「しゃぶしゃぶってこうやるんだ」
と勘違いして一緒に肉を放り込む。
このさい「しゃぶしゃぶ教育」は鍋にすてることにする。
高等な教育もハングリーには叶わないのだ。
大丈夫、「すてる」なんて言わず、しゃぶりつくすほど食べてあげるから。
ハングリー精神、恐怖。
■ 無敵?ハングリー精神
ひとしきり鍋を愉しんだ6人。ラストオーダーの時間も来ている。
オーダーができなくなっても、バイキングコーナーには行ける。
子どもたちは自分たちで、自分のデザートを作りに行った。
息子は「わたあめ」を。
娘子は「プリン」を。
カスタードベースにゼリーの素を入れてつくる感じなのだが、楽しそうなので一緒に作ってみた。
ソフトクリームを入れたりして、かきまぜてつくる。
パフェのようにお好みのコーンフレークやチョコ、ソースをトッピングしてできあがり。
席に戻って楽しく食べていた。
すると、どうしたことだろう、
「お母さん!できた!」
席に近づいてくる者は、息子であって、息子ではなかった。
「ど、どうして・・・」
カフカではないが、突然息子はハエになったらこんな気持ちなのか、と、はじめてあの奇作に共感する。
年は取るもんですね。
が、もっと年を取った母がつぶやいた。
「ばあば分かるわぁ。一回つくったら、わたがし腕についちゃってね」
共感をしめしなさった!
マザー・テレサか!?
「え?ぼくどうなってるの!?」
「あんたは、あたまからからだから、綿菓子をまとっているのよ!」
と、自分でも気づくだろう、綿菓子まみれになっている現状を、息子に説明してあげた。
めっちゃ笑う息子。
めっちゃ呆れる、たかせ妻。
「さて、俺たちもデザートにいくか」
と父が言うやいなや、
「おまたせしました」
肉が8皿届いた。
「デザートどころじゃない」
「だね」
「ってか誰が8皿も頼んでん」
「しょーがないでしょ!5皿頼んだのが来てなかったなんて知らず、3皿頼んじゃってて、その2つが忘れた頃にやってきたんだから!」
「確認してから頼めよ!」
ハングリーで得られたはずの極意やら超絶能力やらはどこへやら。
「おあずけ」ではない新たな苦行がまた、はじまろうとしていた。