■ 易きに流れるは人の性
もしほとんど働きもせず、あっさり大金が手に入るとしたら…あなたはどうしますか? しかも、何度でも。
「働くのをやめますっ!」
高瀬もきっとそうです。 苦労して苦労してやっともらえる報酬より、楽してもらえる大きな報酬に目が眩みます。
まぁ、もしかしたら、お金の余裕ができてもちゃんと働けるかもしれませんが、そこまで人間できてないだろうな、自分。 働き人としては、簡単に壊れていきそうです。
今回は、こんな風に脳を壊していっているかもしれない、なんていうソラオソロシい話。
■ 何度でも確実に手に入る快楽
【引用】あらゆる依存症は、大した努力もなしに、報酬を味わえるという性質をもっている。その報酬は、目先の報酬に過ぎず、長い目で見れば、損失になるのだが、短期的には、大した労力もなく歓びや興奮、開放感や快感をもらたす。アルコールや覚醒剤にしろ、パチンコやゲームにしろ、それを摂取するだけで、あるいはプレイするだけで、いとも簡単に興奮や歓喜を味わえる。そこに、依存症という病気の付け入るスキがある。 【出典】文藝文春『インターネット・ゲーム依存症』P42-43 著:岡田尊司
自分がスマホゲーム依存症なので、こういう本を読んでおります。 だもんで腑に落ちます。
あなたはどうですか? おぼれている快楽、あります? 大した労力もなく、簡単に快感が得られる方法。そういうの持っていますか?
高瀬なんておぼれている快楽は一つや二つじゃないなぁという感じがします。
「毎日仕事帰りのデザートがやめらんない」
そうですよねぇ。食べるだけで簡単に「おいしい」が得られます。
「呑んでないと、やってらんねぇよ!晩酌最高っ!」
ですよねぇ。呑んでる時は酔って全てを流せる気がします。
「宝箱をあける瞬間?ガチャで超絶レアが出たときの興奮?これがやめらんないんだよ!」
ゲームは本当に大人になって日頃なかなか得られない達成感やら成長している感じやらをいとも簡単に高瀬に味わわせてくれます。 ガンガン溺れていく快楽。
ただ、それがストレス解消になっていると信じているのですがね。 (こうやって擁護するから、依存から抜けられないのかしら)
ま、【依存症さん】にとって高瀬は格好の餌食というわけでございます。 そしてその【依存症さん】に侵食されるとどうなっちゃうのか。
脳がね、ヤバいらしいよ。
■ 脳こそ易きに流れ、壊れていく
【引用】そうした行動の味を学習してしまうと、脳の報酬系には短絡回路(近道)ができてしまう。そうなると、わざわざ苦労して、微々たる報酬しか得られない行動を頑張ることが愚かしくなってしまう。汗水たらして安い時給で働いていた人が、ある日、宝くじに当たってしまったようなものである。汗水たらして働くことは、もはや馬鹿らしい行為になってしまう。 【出典】文藝文春『インターネット・ゲーム依存症』P43 著:岡田尊司
ただゲームで脳が壊れるなんて言われると、
「うそ~ん」
って思ってしまいますが、短絡回路ができてそっちに行きやすくなると言われれば、
「うん。そらそうやな」
という感じです。効率いいの、好きですもんね。 頑張っても確実に得られるかどうかわからないものより、簡単に確実に得られるデカい報酬を求める、当然な気がします。
ブログを書いても確実に毎回褒められるわけではない。 ゲームの協力プレイで誰かを助けながらクエストをクリアすれば、 「ありがとう」と言ってもらえます。 仕事では失敗が多く、成功体験を得られたためしがない…。 それにくらべゲームなら失敗はあれど、レベルを上げて挑戦すれば、それほど難しくなく成功体験を得られます。
そりゃ脳だってゲームやりたがるわ。
ただね(まだ食い下がる)、ゲームでの疑似成功体験があるから仕事の失敗を乗り越えられたりね、お酒でやなこと流せるから、
「よし、明日も頑張ろう!」
ってなれたりすることあるんですけどねっ。
「俺にはゲームがあるからいいや、仕事なんてどうでも」ってのが依存症によって壊れた脳の考え方かもしれません。
俺にはゲームがあるからいいやと思ってしまうときがある。 これはこわい。やっぱり。
あなたはどうですか?? ここまで読んでいただきありがとうございました。
あなたによきことが雪崩のごとくおきますように。ではでは!