「ねぇ、知ってる?これ。なんていうか」
ぼそっと、その子は私に話しかけた。
その子の指の方に視線を向ける。
確か、「踊り子」的な名前だったと思うが、
「うーん、、、分からないな」
と私は答えた。
すると、その子は、
「これがタンポポだよ」
と、答えた。
少し無言になり、2人でしばらく歩くと、またその子が口をひらいた。
「あそこの地面にあるたくさんの花は何か知ってるでしょ?」
そこにはたくさんの白い花が咲いていた。
ナズナ、、、かな?でも自信がなかった。
「ちょっと知らないかな」
と答えると、その子は言った。
「桜の花びらだよ?」
「そっか」
突き抜けた青空の中を、龍のような雲がふわふわ泳いでいた。