<働く意味は絶対に自分自身にある。自分で選び取らなきゃいけないんだ>
楽しい小説の弊害。私だけです。私だけの弊害です。
楽しい小説は、印象に残った一節を探すのが難しい。
先が気になって一気に読んでしまうから、過ぎ去るスピードが速すぎる。
「それって印象に残ってないんじゃなくて?」
いや、確かに残っていて。どっかの場面でめっちゃ刺さったのにぃ~、って独りでなってる。一気に大量に読んでしまうから、たくさんの場面が降り積もって、「『四章の営業がバカすぎて』だったと思うんだけど…」とかなる。
自分で買って読んだ本なら線を引いていて探せるのですが、図書館で借りた本となると何も残っていない。マナー良く読んでいますから、私。
そして2回目を読むわけです。まぁ、楽しい本だからいいんですけどね。
で、その楽しい本がこちら、『店長がバカすぎて』早見和真さん著。
【引用】そんなふうに思ったところで、やっと腑に落ちた。そうなのだ。私がこんなふうに日々の理不尽に耐えられるのは、当たり前だけど幸せになりたいからだ。好きな本たちに囲まれ、好きな物語を好きな作家から受け取って、愛すべきお客様のもとへ大切にお届けする。
【出典】株式会社角川春樹事務所『店長がバカすぎて』P268 著:早見和真
帯でこんなことが書かれていました。
<書店員さんから最終話を袋とじに!という要望がありました>
小さく書いてあるのが姑息でズルいです。まんまとひっかかって、ひっかけてくれてありがとうって。
最後まで本当に楽しかったんですよ。
主人公の書店員、谷原京子さんが言うように、「昔より本が売れなくなったとしても、本はおもしろくなり続けている」んでしょうね。
この本を読めてよかった。書店員ではないけど、教員の自分も励まされました。
【引用】私はどんな仕事であっても、辞めたきゃ辞めればいいと思う。とくに私たちの年代は、続けることの美徳みたいのを語りがちだけど、私はまったくそんなふうには思わない。誰だって必死に自分で選び取らなきゃいけないんだよ。そこに誇りを持てないなら、働いていても仕方がない。たとえ給料が一千万だろうが、二千万だろうが、書店に生きる意味を見出せないって京子ちゃんが言うなら、辞めなきゃいけないって私は思う。申し訳ないけど、たとえどんな仕事であっても、替えの利かない人なんていないから。必ず次の誰かがその枠に収まるものなんだ。働く意味は絶対に自分自身にある。自分で選び取らなきゃいけないんだ
【出典】株式会社角川春樹事務所『店長がバカすぎて』P187 著:早見和真
自分が幸せになるために、教員になったんだったわ。
オーディブルでも聴いてみました。知愛さん、素敵です。
あ!!間に合わなかったとおもってたら延長してくださっている😂😂#Audible で配信中のオーディオブックにて朗読を担当させていただいております。
— 知 愛(ちえ) (@chilovects70) 2024年6月27日
奮闘する京子ちゃんと愛すべき(?)店長の物語を
これからも、たくさんの方に目でも耳でもお楽しみいただけますように❗️#店長がバカすぎて缶バッジ https://t.co/NF7UbNZKju
登場人物の声の分け方が素晴らしい。
自分は『店長がバカすぎて』の最終章とは「文字」で出逢いましたが、もしかしたら知愛さんの「声」で出逢っていたとしても違う感動があったかもなと、後悔とも「ないものねだり」感とも言えないものが、胸をコツんと打ってきます。
『満足』と辞書引いたら出てくるような顔を、今の私はしていると思う。
3回目は、天中殺に読みます。