■ シングを見に行く「たかせ家」の世界がもうすでに映画の中？
映画施設付きショッピングモールに行くのは、いったいいつぶりだろう。
コロナで兎にも角にもステイホームを決めこんできた私たち一家は、もともと家長（私）が引き籠もり気味なので、そんなに陰鬱な感じもなく、家で庭で遊びまくっていた。
鬱の経験は、こういうときにも生きてくるのだ♪
ただ塞ぎ込んでなかったのは、私だけだったようである。
出かけるとなると、
「３１（サーティワン・アイスクリーム）のギフト券、財布に入れたからね！抜かりはないわ！！」
愛妻のはしゃぎようったらない。兎にも角にもウサギのようである。
『シング ネクストステージ』を予習済みの子どもたちは、
「唄えるわけない。この１５年間自分の歌すら聞いていない。」と息子がいうと、
「曲が導いてくれる。唄って。」と娘子が続け、
「「残った道は１つ！上がるだけぇぇぇ！！」」２人で唱和したら、
『シング ネクストステージ』と野太い声でＣＭを完全再現して見せる。
ヘビーローテーションで。
このセリフと子どもたちが演じるシーンは、この映画の要であるに違いないと私は思うのだが、いざ本番そのシーンになれば、息子＆娘子を思い出してしまいそうで、泣くよりも先に人目はばからず笑ってしまうのではないか。。。
「ちょっと、ムスムスコンビ。もうＣＭは分かったから、他のにして」
と親の権限振りかざし言ってしまう。
ただちに歌がはじまり、
「おっしぃ～り♪見て～ちょ～だぁ～い♪♪」
「ウサギ！！」
なんて、前作『シング』の「オーディションで誰が唄った歌でしょうか」クイズが始まった。
マニアにもほどがある。
「『シング』何回観たの？」
「春休み、二日にいっぺん観てたから・・・わかんない♪」
そっちもヘビーローテーションすぎひんかい？
突然愛妻が叫ぶ。
「３１のチケット入れた財布自体を忘れた！！」
抜かりまくりの、ドタバタ劇である。
■ 私が舞台に立つようなことが起こるかもしれない
誰が好きって、ナナが好き。
大地真央さんが演じてくださっている。
【引用】夢を追いかける人に挫折はつきものよ。
【出典】『シング ネクストステージ』ナナのセリフ
「夢」なんて言葉はそこまで好きじゃないけど、映画の中で、酸いも甘いも知り尽くした90歳の大女優に言われてしまうと違って聞こえてくるから不思議だ。
ええ、チョロい人間です。
さらにライオン、クレイ・キャロウェイを稲葉浩志さんが演じることも話題になった。
それだけでもう、シングは正座して映画館で観ようと思っていたのだ。
ええ、ええ、チョロいです、私。
【引用】本当は正しい道を選ぶ勇気がなかっただけだ
【出典】『シングネクストステージ』クレイ・キャロウェイのセリフ
ちょっと途中から、稲葉さんって引き籠もってて、
「そうか、稲葉さんもクレイも、俺と同じか。」
ってことは、私が舞台に立つようなことになるのも時間の問題？
■ 一生懸命をバカにしない人が好き
観る前はナナやクレイが好きだろうなと思っていたのだが、観た後はポーシャに惚れてしまっていた。
何に惚れたんだろう。アイナ・ジ・エンドさんの声？いや、好きだよ、声好きだけど、
嘘がない感じ？突き抜けて自分の気持ちを素直で出せるところか。
ワガママお嬢さまでダメダメキャラっぽいのに、田中真弓さん演じる、ミス・クローリーの勢いには素直に、
「はいぃぃぃ！」
ってなっちゃっている空気だし。
そしてミス・クローリーにしたって好きなんだよ。
超まっすぐの猪突猛進で、１つのことしか見えてないよぉ！っておばちゃんなんだ。
一生懸命なクローリーを誰もバカにしないんだよ。
ポーシャもバカにしない。好き。
■ 師匠、ありがとう
『シング』でネズミのマイクを演じた山ちゃんこと、山寺宏一さんは安定の出演でクラウスだった。
きっとテングザルだと思う。
もう、このテングザル、ダンスの師匠なのだが、最後の最後に見せる表情がいいのだ。
ぜひ、、ぜひ観てほしい。
あの穏やかな笑顔を。
言葉を聴いてほしい。
愛の色々な形が見えるんだよ。『シング ネクストステージ』は。
嗚呼、ネタバレしたい。
