■ 獣の奏者を読んでいます
どうやって対処してます?負の感情。 なんか言われたときとか、悲しいこと怒ったときとか。
上橋菜穂子さんの『獣の奏者(全5冊合本版)』を読んでいるのですが、ありましたよ。僕の対処法が。
■ 負の感情の対処法(エリン)
【引用】心を鈍くして 、やりすごしたほうがいいと 、とっさに感じたからだ 。 【出典】講談社『獣の奏者(全5冊合本版)』著:上橋菜穂子
主人公のエリンは、瞳の色などから自分は少し周りと違うと気づき出しているのですが、そのことについて周りが自分のことを「魔が差した子」と言うようなとき、自分の中で湧き上がる感情に対してこのような対処の方法を取りました。
心を鈍くする
「あ…俺と同じやん」
と思ってしまうというね。
鈍感力ではないですが、よく使う知恵です。感じないのが一番。波風立てないし。
人間使い慣れた技に頼ってしまうもんで、こればっかりなんですよね、いつも。
■ 負の感情の対処法(高瀬)
だから嫁様などには全部お見通しなんです。
彼女にこちらの負の感情が丸見えなんですね。
「皮肉っぽい言い方でガミガミ言わないでほしい。」 と今思ってるんでしょ! 「あれやれこれやれ指図しないでほしい。過去は忘れて信じてほしい。細かいこといちいち聞かないでほしい。」 とか思ってるんでしょ!どーせっ!! 「母親みたいな存在にはならないでほしい。いつでも恋人みたいに明るくおおらかに笑顔でいてほしい。 だけど、細かいことは決めてほしい。細かいことは用意してほしい。」 ふっざけんじゃないわよ!!!
完全に読まれてます。
鈍感力のいただけないところは鈍感力を使いすぎて、自分でも自分の心持ちがよくわかんなくなることです。 こんなにも的確に表現してくれる伴侶がいるならそれもいいのですが、わからないままシコリがたまっていくのはどうにも気持ちよくない。
こんなことがありました。
■ 親しい人の死で泣けない
講師として雇ってくれた人がいたんです。肝臓を悪くしていて、入退院を繰り返していました。退院のたび、
「お!けんちゃん!バッチリ回復よ!」 「ホンマですか?そんじゃ、チラシ作りを…」 「アイタタタタ…か、肝臓が…ということで、けんちゃん、引き続きよろしく!!!」 「なんでやねん!」
ほんっと調子のいい…なんてね。 自分の病気すらネタにして、おどけて周りを明るくしてくれました。
戻ってこないなんて思わなかった。 またおどけてくれると。
受験生の夏期講習があるからなんて言いながら、お葬式にも行きませんでした。
涙もでない。
自分はなんて薄情な人間なのだろう… 鈍感にもほどがある…
そう思い責めましたが、もしかしたら違うかもしれない。
『獣の奏者』にこんなシーンが出てきます。
■ 親しい人の死に涙も出ないとき
主人公のエリンは、とても残酷な形で母を失います。 なんとかエリンは逃れるのですが、心は…
エリンを助けたおじさんは、彼女をこうやって励ましました。
【引用】「思う存分 、泣きな 」おじさんは言った 。 「涙は哀しみの汁だ 。涙がどんどん流れでれば 、哀しみも 、それだけ減っていくってもんさ 。おまえを 、そんなに哀しませていることも 、やがては 、忘れられるようになる 」 【出典】講談社『獣の奏者(全5冊合本版)』著:上橋菜穂子
でも、そう言われてエリンは。
【引用】涙があふれて 、とまらない 。しゃくりあげながら 、エリンは息を胸いっぱいに吸いこみ 、歯をくいしばって 、泣き声をとめようとした 。 【出典】講談社『獣の奏者(全5冊合本版)』著:上橋菜穂子
哀しみが減っていくとともに、お母さんを忘れていく、そんなのイヤだったんですね。
どんな形にしろ、もしあなたが親しい人を失うも、どうにも涙が出ないのであれば、それはその人のことを忘れたくないからかもしれません。
エリンのように、無理に涙を止めることもないとも思うけど、無理に泣く必要もないですね。
そのときがくれば、自然と流れるものだと思いますから。 母を失った『寄生獣』のシンイチのように。
ちなみに本日は友だちの結婚式なのです。…ちょっとめでたくない記事だな…。
おめでとう!ではでは!