アイデアホイホイ〜3分のヒマつぶし

入れて出す、3分間・・・アイデアを、だよ?

アイデアホイホイセイレーン

小学五年生

【引用】 〈最後の最後の最後の最後のチャンス。家に帰っても、宅配便は届いていなかった。かわりにお母さんとクミからチョコを一つずつもらった。〉

【出典】文藝春秋 『小学五年生』 著:重松清

■ 短編を繋ぐ決まり

多くの短編集は、一つ一つの話が何らかの決まりのもと繋ぎ編まれます。 孤立した話それぞれを楽しみ、共通点である決まりを探すのが面白い♪ でです、『小学五年生』は決まりはなんだと思いますか? 「しゅ、主人公がみんな小学五年生?…」 ファイナルアンサー?正解! と、それだけではありません。 主人公達は「少年」としか紹介されず、基本的に名前を明かされなかったり。 登場人物は全てカタカナで呼ばれていたり…ってあれ?漢字の人も出てきた!? どうして、漢字の人とカタカナの人が? 『小学五年生』は、かゆい懐かしさをくすぐり思い出させてくれる、そのストーリーがもちろん面白いのですが、 決まりを探し、その意味を考えるのも愉しいんです。

■ ひっかかり感

『小学五年生』で見習いたいのは、ひっかかる感じ。 主人公は、自分と同じ『小学五年生』を生きていないはずなのに、どこか同じ。似ている。 自分にも、そんな経験、ある…? そんな、ひっかかり。 どうやって出すんやろ、このひっかかり感は。 これが出せるから、小説は読み手を感情移入させられるんでしょうね。 で、どうやって出すと思いますか、「ひっかかり感」?