朝。 ティンコン♪ という音が、ディテ(嫁)さんのスマホと私のスマホから鳴り響く。軽快な音であって、警戒音ではない。 LINEのグループでメッセージが入ったようだ。
ミヨ(ディテ妹・四女)「今塩尻市役所で婚姻届出してきましたーっ」
最後「ーっ」の音読レベルが高すぎるな、なんて寝ぼけ眼で思いつつ、ちゃう、めでたいやん、と。 ティンコン♪…ティンコン♪ティンコン♪ そして次に送られてきたのがこの写真。
跳び起きた。このタイミングで何でディテさんが弁当つめてる写真? 「あなた寝てるけど、私、もう起きて弁当作ってるよ。あなただけのために。深夜も夜泣きに起こされてるけど、あなたより先に起きて、おいしいお弁当、作ってるよ?私」 というプレッシャーかと思いきや、ダウンロードしてよく見ると、ミヨが婚姻届を出す決定的瞬間のようだ。安心した。 四女のミヨと長女のディテさんは、とてもよく似ているのだ。 思い返せば、ミヨに初めて出会ったのは彼女が中学3年の頃、ディテさんの実家に遊びに行って…あの日のことは、昨日のことのように思い出せる。 中学2年だったかもしれないが、男装ではなく女装をし、おそらくピアスもあけておらず、スマホをいじっていることもなかった。スマホは発明すらされていなかった。 初めて交わした言葉は、 アフロ「こんにちは」 ミヨ「お前なんかに、お姉ちゃんはやらん!アフロでもないくせに!!」 ではなかった気がする。 ディテ「ひとつも昨日のことのように思い出せてないじゃん!」 正直にいえば、刻まれた歴史が長すぎて、出会った頃のことを何も思い出せない。昨日か一昨日ミヨが来てくれたときの会話すら思い出せない。 私ですらこんな感じなのだ。もっと刻んだ歴史の長い、お義父さんや、お義母さん、ディテさんにしてみたら、 「ミヨに初めて出会ったのは…彼女が赤ちゃんだった頃のような気がする。たぶん」 という感じかもしれない。 ついに彼女も入籍か。おめでとうございます。