お好み焼きで鰹節パックをあけた瞬間、カーテンの方で ゴソゴソゴソ、と音がする。
妹子である。
拾われてきた彼女も飢えた時期があったのだ。 食べられるチャンスに反応するアンテナをいつも張り巡らしていたことが、その感覚を磨き続けた。
人間もやっぱり動物で、危険という石に研がれれば研がれるほど、勘というものが冴えてくる。 夜道を歩くたび辻斬りに遭った人は、 …ピーン… 殺気を感じられるようになった。 「オレオレ」 振り込め詐欺に遭いまくった人は、電話の呼び鈴を聞いただけで、 「詐欺師からの電話だ」 と判り、 アフロ母「はいモシモシ」 アフロ「俺やけど」 母「…金はない…」 ア「はっ?」 ガチャっ! Tuー…Tuー…Tuー… ア「………」 悪即斬することができるようになったのだ。 ところで、二階の自分の部屋にこもって勉強する多くの男の子は、きっと勉強をしていない。 少なくとも僕はそうであった。 中学も終わり頃になれば、母親の殺気なんてものは階段に足が差し掛かった瞬間に察知できるようになっていた。 寝ていたって、 ピーン 「お、来たな」 ゆっくり起きて机に移動し、さも今まで必死で勉強していたような闘気を醸し出すことができる。 ガチャ アフロ母「よしよし、がんばってるやないのぉ」 アフロ「おうっ…眠いぃぃ…」 スタスタスタ、ベットに手を触れる母。 …ピーン… アフロ母「…あたたかい…あんた、さては」 アフロ「いや、あ、、ベットの上で催眠学習を…」 母「それいうなら睡眠学習や」 ア「それっ!」 母「……寝とったんやな?」 ア「はい…」 研がれているのは自分だけだと過信するとこうなる。 そういえば同じようなことが今でも起こる。 アフロディテ(嫁)「さてさて、パソコンで仕事しなきゃ」 ブーン ディテ「ねぇ、ちょいと…」 アフロ「え?…はっ…」 どうしてうちのブラウザは、前回閲覧したホームページ(H系)から起ち上がるのかが判らない。 ディテ「こういうのが趣味なの?」 アフロ「たまたま?サーフしてたら沖に流されて、たどり着いた島が美女だらけやった…みたいな?」 ディテ「…ふーん…」 何の話をしていたのかは忘れたが、僕は爪が甘いのである。