アイデアホイホイ〜3分のヒマつぶし

入れて出す、3分間・・・アイデアを、だよ?

アイデアホイホイセイレーン

だって彼女を護りたかったから…

たかしは、普段は普通に明るく、ちょっとやそっとでは怒らない、穏やかな、まあいってしまえばその辺によくいる男である。 が、車に乗れば勝手が違うようで、 「ちっ、何わりこんできとんねん!」 「オッサン!やや残っとる髪ひっこぬいてもたろか!?」 というような按配で、いつも隠している一面なのか本性なのかは知らないが、あの密室ではチンピラ顔負けであった。 ある日、シルバー軽自動車、彼のマイカーの助手席に彼女を乗せ、細い道を快調に下っていた。 すると突然、グォ!、右の脇道から白デカい車の頭。 ハンドルを左に少しきってよけながら、反射的にたかしは 「アホー!」 相手の運転席に大きく口を開き、そう叫んでいた。 次の信号で止まったとき、バックミラーをのぞくと例の車が後ろに付いている。 そして驚いたことに、運転席のドアが開いて、ヌウっと男が出てくるではないか。 上下白ジャージにサングラス。 かっぷくのいい腹の揺れに合わせて、首で金のネックレスも揺れていた。 はじめは165ぐらいかと思った身長は、横に立たれてみると180弱はあるのではないか… 窓の外は揺れの止まった腹しか見えない。 コンコン 「○・□・※」 どうやら「あ・け・ろ」といっているようで、 ウィーン 「道を聞きたいのかもしれない」そんなたかしの超願望的予想むなしく、 「今、お前、こっち向かって…何つった?」 案の定の展開である。 後に聞いた話だが、その次のたかしの返事に彼女は耳を疑ったという。 たかしは反射的に腹に向かって叫んでいた。 「『すいません』っていったんですよ!!」 たかしの密室はすでに破られていた。チンピラに顔ならず腹のみで負けている。 窓の外からのびてきたゴツい手に、たかしのエリ首が掴まれ… ということにはならなかったらしいが、 その後の記憶はどうも覚えていないという。 ただ、サイドミラーに小さくなっていく、白ジャーの 「あの『KANI』のロゴは忘れられへんわ」。 現在たかしは、車内でもおだやかになり、 今、この記事を書いている。 そう、たかしの本当の名はアフロ、 つまり、私のことである。 あの面目まる潰れの言い訳は…… 最後までありがとうございました。 ちなみに、お友達のハラミさんの母はそのスジの方より強いかも?って噂ですって記事はこちら~