アイデアホイホイ〜3分のヒマつぶし

入れて出す、3分間・・・アイデアを、だよ?

アイデアホイホイセイレーン

パリジェンヌにジェントルマンな関西人

職場の最寄りは、なかなか乗り降りの少ない場所である。 今日も八時過ぎにつく電車に乗ってやってきたのだが、スーツ姿の男性、帽子片手なおばさん、キャリーケースを持った女性、そして私だけだ。 スーツと帽子がさっさと改札への渡り階段を上っていく中、キャリーケースの女性は相当重いのか、よっこいしょ、という感じでやっとこさ電車を降りている。 私も渡り階段を上っていくのだが、なかなかの段数である、後ろの女性が気になって仕方がない。 始業に間に合わない…こういうとき根が紳士すぎて困るのだ。 上りきったところで振り返ると、切符を口にくわえ、両手で必死にキャリーケースを持ち上げようとしているパリジェンヌが…って、外国の方じゃないか♪ 遠目に滝川クリステルさんに見えなくもない。 外国では「荷物お持ちしますよ」というのが日常茶飯事に行われていると聞く。 何かが下心と一緒に私の中で音を立てて外れた。 タッタッタッタ アフロ「上までお持ちします」 クリス「あ、いいんですか?すみません。ありがとうございます。」 アフロ「こ、これ、そ、相当重いですね。大変だ、これは。ご旅行ですか?」 クリス「はい♪わたし、奈良からきたんですよ♪♪とてもジェントルマンですね♪」 アフロ「な、奈良?僕も出身は関西なんよ♪…なんですよ!」 クリス「あら、そうなん♪…ですか♪私、神戸で生まれたんです♪」 アフロ「えぇぇぇぇぇ!神戸!?僕も神戸で生まれたんよ♪」 クリス「あら♪うふふ♪♪どうりで♪(?)さすが神戸の方ですね♪♪」 やはりクリステルさんだったこともあり、とても流ちょうな関西なまりの日本語で驚くばかりであった。 とてもいい感じな上、初対面でこれだけ共通点があったのだ、恋でも芽生えそうなものだが、 クリス「ありがとうございました♪家族が迎えにきておりますので♪♪」 ごっつい感じのお父さん(?)の車、黒チェロキーに乗って、湖の方へクリステルは消えていった。 振った手を下ろすのも忘れ、ぼーっと独り駅に残された関西ジェントルマン。 「あ!?始業に間に合わへん!!!」