3時だ。
れいによって休みの朝は早く目を覚ます。
休みは長い方がよい。
前回1時に起きたときは失敗した。
昨日が終わったのかどうか、休みが始まったかどうかも曖昧なままで、
なんだか早起きして休日が長くなったというより、平日が間延びしたような感じがして、結果損をした気分になってしまったのだ。
さて3時だ。
とりあえずドライブにでも…
玄関で靴を履き、ふと気がついた。
人間に会わないだろう時間にしてもこれはない。
髪の毛は妖怪を感じた鬼太郎(妖怪人間ベロでもいいし、もうこのさいベムでもベラでもいい)になっているし、
服装だって上はジャージ、下はパジャマ、靴はビジネスマンの命、革靴である。
ちぐはぐさは押しも押されぬ妖怪レベルだ。
今私の靴はこれしかないので変えることはできない。
靴に合わせば、スーツか?
とりあえずジャケットを羽織ってみると…
ちぐはぐさが妖怪レベルから神の域に達した気がする。
いよいよ人間に戻れなくなってきた。
人間に会わないだろう時間だ、結局元の格好で出ることにした。
裸という意味ではない。
そういえば今日もアフロディテさんはお仕事。
缶コーヒーでも買ってあげるかなとローソンによる。
実はローソンには初めから寄ろう思っていた。
読みたい本があったのだ。
本田宗一郎さんの『やりたいことをやれ』も読めたし、買ってもええよな…これ…
先日の話だ。
「…」
あのときの訝しんだディテさんの目は忘れられない。
「名言セラピーシリーズは全部読んでんねんで」
「ふーん」
「ひすいこたろうさんの文章は何ていうか、その、情報の出し方がうまくてね」
「ふーん、モテ、、ね」
「うん、今回は、まぁ、いいかな」
「…買えばいいのに…誰にモテたいんだか…」
やっと買えるのである。
缶コーヒー2本と『モテ名言セラピー』を持ちレジへ。
うかつ、人間の店員に会ってしまった。
「はい…あ、えぇ…」
店員の目が下から上に素早く2回上下した。
「1260円…」
「缶コーヒー代は?」
「あっ!失礼いたしました。1500円になります」
店員の動揺に動揺する。
早く人間になりた~い。