[caption id="attachment_2517" align="aligncenter" width="500"] 問:一番たくさんの県に接しているのはどこ?
「う~ん…『海』」[/caption]
本日は池谷裕二さんの著書『脳には妙なクセがある』からのご紹介。
■ 4パターンの勉強法を比べた実験
米パデュー大学のカーピック博士らの研究だそうです。 (Karpicke, JD, Roediger, HL, 3rd. The critical importance of retrieval for learning. Science, 319:966-968, 2008.)
ワシントン大学の学生を集めて、スワヒリ語40個を暗記する試験を行います。 スワヒリ語…うん、初見に違いない。
farasi…ご存じですか?ファラシ?音階か? これ「馬」らしいんですけど、こういうのを40語覚えるそうです。
ただ覚えてもらうじゃぁ、実験にならないので、グループを4つに分けて、それぞれに別の覚え方をしてもらう。
●第1のグル~ップ 40個学習→確認テスト(40個全部)→40個学習→確認テスト(40個全部)→…
●第2のグル~ップ 40個学習→確認テスト(40個全部)→覚えてなかった単語だけ学習→確認テスト(40個全部)→…
●第3のグル~ップ 40個学習→確認テスト(40個全部)→40個学習→覚えてなかったのだけ確認テスト→…
●第4のグル~ップ 40個学習→確認テスト(40個全部)→覚えてなかった単語だけ学習→覚えてなかったのだけ確認テスト→…
整理しますか。 どのグループも最初は40個学習します。次にすべての単語を確認テスト。 違うのはその後。
・テスト後全部毎回覚えなおすか、間違ったのだけ覚えるか。 ・そして、再テストは40個全部するか、間違ったものだけのテストにするか。
さて、どれが一番効果的だと思いますか?
効率がよさそうなのは4グループですよね。間違ったのだけ覚えなおして、間違ったのだけテスト。早く覚えられそうです。 さてさて結果は?
■ 効果的な勉強方法
【引用】面白いことに、この四つのグループには習得の速さに差はありませんでした。実際、5、6回も学習と試験を繰り返すと、全員が40個すべてを覚えることができました。 【出典】扶桑社新書『脳には妙なクセがある』P167 著:池谷裕二
なんだ、それならどんな学習方法だっていいんじゃないか。
「やればいいんでしょ?やれば?って世界?」
実はそうでもないんですね。
【引用】カーピック博士らは、一週間後に再テストを行うことにしました。さて、成績はどうだったでしょうか。グループ1と2は約80点と好成績であったのに対し、グループ3と4はともに約35点しか取れませんでした。 【出典】扶桑社新書『脳には妙なクセがある』P169 著:池谷裕二
あら、全然定着度合いが違いますね。
さて、1・2グループにあって、3・4グループになかったものはなんでしょうか? どうやらこれが、今回のお話の決め手のようです。
画面を上にスクロールして探してみてください…面倒?そうですよね。解説します。
1・2グループと3・4グループの違い、それは再テストの方法です。
つまり、40個全部テストするか、間違った(覚えていない)単語だけ再テストするか。
どうやら効果的な方法は、「40個全部テストする」方だったようです。
【引用】私たちの脳は、情報を何度も入れ込む(学習する)よりも、その情報を何度も使ってみる(想起する)ことで、長期間安定して情報を保存することができるのです。これを拡大して解釈すれば、「参考書を繰り返し丁寧に読むより、問題集を繰り返しやるほうが、効果的な学習が期待できる」となります。 入力よりも出力を重視--脳はそう設計されているようです。 【出典】扶桑社新書『脳には妙なクセがある』P169 著:池谷裕二
■ 効果的な勉強法は「問題を解きまくれ」
覚えるときは、間違ったものだけ学習しなおせばよくて、確認テストは全部の単語を確認するのがいいみたいですね。
その知識を覚えたら、すぐ使ってみる。そして何回も使ってみる。 それが一番脳にはいいみたい。
【引用】人間の法則2 人はどういうときに情報を記憶するのか? 10%--読んだとき 20%--聞いたとき 30%--見たとき 50%--見て、聞いたとき 70%--口に出して言ったとき 90%--口に出しながら、行動したとき 【出典】ダイヤモンド社『チャンスがやってくる15の習慣』P19 著:レス・ギブリン 訳:渋井真帆
『効果的な勉強法』いかがでしたか? さ、今回のお話、早速実践されてみてはいかがでしょう?
「あのさ、アイデアホイホイっていう素敵なブログに書かれてたんやけど、勉強って教科書読みまくるのと、問題集解きまくるのどっちがいいか知ってる?」
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