先日ディテ(嫁)さんと宇都宮へ旅行に行ってきた。 行くまで宇都宮が群馬にあるものだと思っていたあたり、今の職を辞した方がいいのではないのかと心ゆらいでいるアフロです。 ごきげんうるわしゅう。
■ 旅先でゆるむは財布のひも
どういう心理か知ったことではないが、アフロ家の一族は旅先では気持ちが大きくなる。 つまり、財布のひもがゆるむのだ。 「どうしよう…保湿ペーパー忘れちゃった」 「ええやんええやん。買えば」 「スタバでコーヒー飲んじゃう？」 「いいねぇ飲もう飲もう」 「ねぇ？ブーツ欲しかったんだ」 「あぁ、買ったら？気に入ったんやろ」 特にディテ(嫁)はゆるむ。ゆるみまくるのだ。 それを利用して、 「携帯古くなったし買い換えるか？俺の」 とやってみたが、 「はっ！？使えるでしょ？」 それはダメらしい。
■ ひもがゆるんだ財布で大人買い
宇都宮で何をしたかといえば、餃子を食べ、パルコでティンバーのブーツを買い（ディテの）、本屋によって何も買わず（買いたい本はあったが私は我慢した）、駅前のCDショップをブラついた。 どこででもできるようなことだ。 「今ならこのワゴンのDVD三本で3000円。さらに1000円の金券もプレゼント♪」 店員の声が聞こえたところでワゴンに近づいてみる。 「ちょっと、結構ええ映画そろってるで」 「『レオン』観たかったのよね♪」 携帯はダメでも、これはよかったらしい。 二人で選んだ映画は『レオン「完全版」』『シザーハンズ「特別編」』『あなたが寝てる間に…』である。 どうせなら三本目も『あなたが寝てる間に…「無修正版」』と、何か特典のついたものを選びたかったが、この映画のDVDはアフロ的にレアなので、 「絶対これ！絶対これは買う！！」 「はいはいはいはい」 「ひゃっほぉ～」 特典無しでもおかまい無し。小躍りしながらレジに向かった。 「はい、三本で３１５０円になります。ちょうどお預かりします…」 ３０００円といえどDVDを一気に３本買うなど、アフロ家にとっては大人買い以外の何ものでもないわけで、これこそ旅先でゆるんだ財布のひもがなせる業なのである。 そして１０００円の金券をいただき候。
■ ゆるんだ財布のひもで３０分
次はこの使い道だ。 旅先、今日使わなければ一生使うことはないだろう１０００円金券。 「ジャズが１００曲入って１０００円やで、これにしよう」 「嫌。ショッパンのワルツ集がいい」 １０００円ぶんタダだと思うといつも買わないものを買いたくなる。 ジャズやらピアノソロのＣＤなんて、こんな機会でもないと買わないのだ。 文化人なんだか貧乏人なんだか。 宇都宮で関西人と信州人の旅人の小競り合いが始まって３０分。 「まぁブーツ買ってもらったし、ジャズをゆずってあげるわよ。これでチャラね」 「っしゃー！ってブーツがチャラかよ」 で、再び同じレジに並び、金券を出す。 「９８０円になります。…あ、お客様、この金券は３０００円以上お買い上げの際使える券でして…」 「あ…それじゃぁいいです」 文化人と貧乏人と関西人と信州人と旅人は、それぞれを見つめあいぐったり。 どうかディテと私の無駄な白熱３０分を、誰か返してくれやしませんか。
