アイデアホイホイ〜3分のヒマつぶし

入れて出す、3分間・・・アイデアを、だよ?

アイデアホイホイセイレーン

松川バッティング

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日曜の話。 友だちの松川君(仮名)が神奈川から信州に遊びに来てくれた。 大学体育会系の部活動の中で、 サザエ家のマスオさん的オアシスな役割を果たしていた彼は、相変わらず1対1のタイマンでも私を包み込む力量であった。 「結婚決まったんだ」 私が報告をする。 「まじで」 「会社辞めたんだ」 「…そば、食いに行くか。」 戸隠の山笑は、そりゃあもうシコシコの蕎麦を出してくれる、私的No.1蕎麦屋なのだけど、 いかんせん働き盛りの私たちには、そばではお腹いっぱいにならないわけで。 働いていないけど。 「腹いっぱいにならへんよな?」 「そばソフト、食いに行くか。」 飯を食べ、デザート食べると何したくなる体育会。 体を動かしたくなるのである。 「運動したくない?」 「打ちに行くか…そば。」 … そばではなく、球を打ちにきた。 バッティングセンターである。 「あのホームランって書いてる板に当てたら、たぶん真ん中の光んねんで」 「あの電光掲示板が?光らないでしょ?」 松川君は半信半疑だが、とにかく狙っていくことにした。 4回千円のカードを松川君は買ってくれ、120キロに挑戦する。 狙いはホームラン。 …の板。 バン… バン… バン… 三振。 120キロの球を受け続ける後ろの板がかわいそうで泣けてくる。 バン… 当たらない。が、5球目あたりからチップが出るようになり、最後にはファールを打てるようになった。 二番バッター、松川君。 バン…バン…バン…バン…バン…バン…バン… …… 次に私たちは90キロに挑戦することにした。 カッ… カッ… カッ… 遅くなったし目が慣れてきたせいかボールは見える。 見えるのは見えるのだが山なりに飛んでくるのがいけない。 前打者が小学三年生ぐらいのちびっ子だったのも手伝って、ひざ下にストン、野茂ばりに落ちてくる。 でもさっきよりは狙えるかも… なんとか持ち上げ、 カーン…カーン…… 次の打者、松川君につなげた。 ちびっ子たちと私が見守る中、最後の打者、松川君が立つ。 逆光の松川君、影の松川君は凛々しく振りかぶり… バン…バン…バン…… また後ろの板が痛めつけられる。板だけに痛々しい。 バン…カッ…バン…… 後6球…というところだった、 カキーン、 「嘘だろ」 ちびっ子がつぶやく間、ボールはホームランの板に吸い込まれ、 「まじかよ」 ガンっ 当たっ…た。 私たちちびっ子軍団は総立ち。 松川君の方へ向かって手をたたきながら飛び跳ねる。 「当たっちゃった」 微笑み振り返る松川君の後ろで、ホームランの電光掲示板がボワンと光っていた。 バン…バン…… 写真の左上にある白い点が見えるだろうか? 松川氏はあれに当てたのである。 ヒーローインタビュー、 「景品のスプリングルス、俺がもらってええん?」 「どうぞどうぞ」 今日はありがとう、久々にはしゃいだわ。 いやいや、俺も楽しかったよ、またちょくちょく帰ってくるから。 ほなそのとき、んじゃ。 バイバイ。 いい週末であった。 鐘さんに、バットの握り方から教えてもらおうかしら。