■ 意志が強いのはどっち?
意志が強ければ誘惑にも負けず、自分の追求することに脇目もふらずに向かえます。
僕などは誘惑には負けまくり、やらなければいけないことは後回し。 意志が強い人…うらやましいですね。
ところで、意志が強いのは
・自分に厳しく甘えを許せない人? ・自分にやさしく甘えを許せる人?
「いやいやいや、自分に厳しい人でしょ! 甘えを許しちゃう人の方が意志が強いなんて思えない!」
僕もそう思っていました。
■ 自分に厳しく許せない人が陥る罠「どうにでもなれ効果」
こんな経験ありませんか。
禁煙中、付き合いで飲みに行き、友だちから、
「ほれ、おまえも一本」 「いや、禁煙中やから」 「それにしてもやりたそうやん。久しぶりの再会やし、ま、今日だけ一本ぐらいええんちゃう?」 「そ、そうやな」
で、結局一本で終わらない。 「一本吸ったら禁煙なんて失敗じゃ!どうにでもなれ!!」
こんなのは? ダイエット中、なぜか目の前に現れたポテトチップス。そしてすすめられる。
「どうぞ♪」 「あ、ありがとう(一枚ぐらいいっか)」
で、やっぱり一枚で終わらない。 「もういいもん!ダイエットなんてこれで失敗!!食べちゃお!私もう食べちゃおっと!!」
毒を食らわば皿まで、ではないですが、失敗の罪悪感でひらきなおって、よけいにハメを外してしまう。
これを「どうにでもなれ効果」といいます。
【引用】ダイエット研究者のジャネット・ポリヴィとC・ピーター・ハーマンが最初に使ったこの「どうにでもなれ効果」という言葉は、はめを外して、落ち込んで、さらにはめを外すという悪循環を表しています。 【出典】大和書房『スタンフォードの自分を変える教室』P216 著:ケリー・マクゴニガル 訳:神崎朗子
ほんの少しの失敗…自分の甘さを許せないと、人は罪悪感を持ってしまいます。
「なんて俺は弱いんだ!」
完成されたほどに厳しい人は、甘えがなく、一部の隙もないのかもしれません。 そんな人はいいのですが、 あなたが失敗してしまって、あまりに自分に厳しいために、自分の甘え(失敗)を許せなければ、そこから罪悪感にかられ、この「どうにでもなれ効果」に振り回されてしまうかもしれない。
どうにでもなれ効果は「意志力」最大の敵の一つだそうです。
自分の甘えを許せず罪悪感にかられてしまう厳しい人にも、どうやら意志力が足りないようです。
■ 甘えを許せない、自分に厳しい人は
「あぁあ、結局三日坊主だった…」
こうぼやき、自分を責めてしまう人は、少々自分に厳しすぎるのかもしれません。
「やっぱり食べちゃったよ」
連続やり続けた記録、それが途絶えたことを責めるよりも、許してあげて、また始めることの方がよほど大切です。 自責の念から「どうにでもなれ効果」で、めちゃくちゃにしちゃったら、次やり出すのに時間がかかりますもん。
だから多少の甘えが出ちゃっても、「まったくしょうがないんやから、私ったら♪」と許してあげるのがいいのでしょう。 「三日坊主か。よし♪また三日やるか!」ってね。
【引用】驚いたことに、罪悪感を抱くよりも自分を許すほうが責任感が増すのです。研究者たちの発表によれば、失敗したことについて、自分に思いやりをもって振り返った場合のほうが、自分を厳しく批判した場合よりも、失敗したのは自分のせいだったのだ、と認めやすくなります。また、そのほうが他人の意見やアドバイスに対しても進んで耳を貸せるようになり、失敗の経験から学ぶことも多くなるのです。 【出典】大和書房『スタンフォードの自分を変える教室』P222-223 著:ケリー・マクゴニガル 訳:神崎朗子
甘えてしまった自分を許せない厳しいあなたにも意志力が足りません。
そんなあなたは、甘えが出てしまった自分に、友だちにそうするときのようにやさしい言葉をかけてあげ、自分を許してあげてください。
自分を責めるよりも、よっぽど意志力アップにつながるみたいですから。
長い文章におつきあいいただきありがとうございました。 あなたによきことが雪崩のごとくおきますように。