アイデアホイホイ〜3分のヒマつぶし

入れて出す、3分間・・・アイデアを、だよ?

アイデアホイホイセイレーン

もっと息子・娘を愛せる自分に出逢える本1選

中村美幸さんと渓太郎くん『いのちの時間』 photo by:中村美幸さん

Q:パパなりたての人にオススメの本ありますか?
A:僕はこの本を読んで、父として新しい自分に出逢えました。

■ クリスマスのこの日にこそオススメしたい本

クリスマスですね。 あなたのおうちにはサンタさん、来ましたか?

うちは、娘と息子には来ましたが(奥さんにも来ました)僕には来ません。なぜなら、そうです!わたしがサンtぐふぁっ!! (奥さんに殴られました)

さて、トナカイのお鼻のように顔が真っ赤に腫れ上がったところで、 「キリストの生誕を祝って、人々が許し合い、お互いに助け合う」 そんな精神を思い出すなら、『クリスマスキャロル』がおすすめです。でも、このクリスマスをへて、あらためて我が子を愛する気持ちを強めたいのなら、あなたにオススメの一冊があります。

この本を読んで、僕は「こんなに我が子を愛おしく思えた自分」に出逢えました。

本を読む前だって、自分の子はかわいい「かわいすぎる!」と思っていましたが…なんだろう、かけがえのないものというのが身にしみて判ったというか…。

前振りが長くなりました。 クリスマス、誰しも家族の笑顔を喜ぶこの日にこそオススメしたい、『もっと息子・娘を愛せる自分に出逢える本』とは…

■ 著:中村美幸さん『いのちの時間』

以前「子育ての悩みがフッと軽くなる話」で紹介させてもらった講師の方が中村美幸さん。 その中村美幸さんのご著書が、この『いのちの時間』です。

パパになりたての方、1歳の息子さんがいるお父さんに強くオススメします。 逆に、ママになりたての方には少しススメる手をゆるめてしまう。

一番は「よ、読んでる時間ないから!…あなたはいいよね…」と怒られるから。 もう一つは、読めない、と思います。

いのちの時間』は著者の中村美幸さんが初めてのお子さん、渓太郎くんを出産するところから始まります。

美幸さんにとって、かわいくて、愛くるしくてしかたがない渓太郎くん。でも、その四ヶ月後、初めてのクリスマスがやってくるころです。 渓太郎くんに腫瘍が見つかります。検査の結果は、

【引用】「渓太郎くんの病気は非常に難しい病気です。ほとんど症例のないとても珍しい種類の腫瘍で、今まで東京近郊でも三例しか発症例がありません。発症例がないということは、治療方法も確立されていないということです。治す方法がわかっていないということです。予後も非常に悪い腫瘍です。世界的に見ても、今までこの病気で助かった例は一例もありません。いちばん長く生きた例で、発症から一年間です」 【出典】ゆいぽおと『いのちの時間』P48 著:中村美幸

読み進めば読み進むほど、自分の息子が渓ちゃんにどんどん重なっていきます。 僕の奥さんは、一度手にとって、しんみり、

「…読めないよ…」

とつぶやき、本を置きました。

【引用】「今までの幸せはなんだったんだろう……。何ヶ月間もずっと、お腹の中の渓太郎に会える日を楽しみにしてきて……。やっと渓太郎に会えて……。私の人生の中でいちばん感動して……。あまりの小ささにびっくりしたはじめてのだっこも、はじめてのおっぱいも、はじめてのおむつ替えも、全部が珍しいこと続きで、全部が幸せで……。すごく、すごく幸せだったのに……。幸せがずっと続くと思っていたのに……」 【出典】ゆいぽおと『いのちの時間』P50 著:中村美幸

■ 今ある幸せを教えてくれる本『いのちの時間』

大切な人の命の時間が刻一刻と失われていく…耐え難い悲しみと切なさの中で、中村美幸さんは「幸せの本当の見つけ方」に出会います。

そして『いのちの時間』は、その方法をあなたに教えてくれます。 さらに、僕が驚いたのは、読んだ後の「自分が子を見つめる目」です。

中村美幸さんと同じ経験は、とてもじゃないけどできないし、決してしたくない。でも、本当は僕もあなたも気づいていないだけかもしれません。 だって、全ての人の命の時間は、刻一刻と失われているのだから。

今目の前の我が子の笑顔を見られるのは、今だけ…

そう思うと、かけがいのないものに気づけた気がして、本を読んだ後、止まらないものが目からあふれてきました。

中村美幸さんの講演を聞き、「自分は虐待をしていた…でも、それがやめられたんです…」そう打ち明けるお母さんがいるのも、うなづけます。

この本『いのちの時間』は、悲しい気持ちを共有する本ではありません。 読んだ人が、自分の中にある幸せに気づくための本です。

中村美幸さんは、つらい闘病生活の中で、渓太郎くんの初めての歯に喜びを見つけ、外泊中に初めて叶った家族三人川の字で眠ることに幸せを見つけ、そのつどそのつど、当たり前にある風景の中から輝くものを見つけ教えてくれます。

その発見を一緒にたどるごとに感じるのですね。

「ああ、自分はなんて大切なものを見逃していたんだろう」

とはいえ、耐え難い経験を元にして描かれたエピソードの数々なので、お母さんが読み進めるには酷かもしれません。でも、子が小学生、中学生となり、小憎らしくなってきたなら、読めるかも。

その小憎らしさすら、愛おしく思える自分に出逢えるかもしれませんので。

■ 中村美幸さん

中村美幸さんのホームページはこちら「 http://www.nakamiyu.jp 」。講演会のご相談などをどうぞ。 人権関係の講演会や、子育て事業に関わる講演会などに、とてもよくあったお話をしてださると思います。

著書の『いのちの時間』、ぜひ読んでみてください。

中村美幸さん、素敵なクリスマスプレゼントをありがとうございました。大切にします。

「子をもっと愛おしく思えるようになった」

なんて奥さんが聞いたら怒るな…

「だったらもっと家事手伝ってよ!」 「寝かしつけ、かわりにやってくれるんでしょうね!」

…えっと精進しますっ!