アイデアホイホイ〜3分のヒマつぶし

入れて出す、3分間・・・アイデアを、だよ?

アイデアホイホイセイレーン

クレーム(苦情)は、オポチュニティ(機会)である

昔、塾の先生がこんなことをいってくれたことがあります。 「質問はあるか?…ん?みんな判ったんか?千石は?」 「あ、えぇっと」 「ええねんで。誰か1人判らんかったら、少なくとも5人は判ってへんから。5人と説明ベタな先生のために判らんとこ教えてくれよ」 判らないことが恥ずかしいだけだと思っていた千石少年には、ショッキングな出来事でした。 判らない、それを出すことが誰かのためになって、さらに先生のためにもなるなんてね。 それ以降、その先生の授業で、また授業後に先生に質問しに行くようになりました。すごい列やったけど。 えぇ、今日はリッツ・カールトンの「苦情に対する考え方」のお話しです。 嫌な奴からの文句、不満、上司・先輩・親からの怒り、注意…働いていてもいなくても巷には苦情が溢れています。 3つの考え方は、とても参考になりました。高野登さん、ありがとうございます。

■ 苦情の裏に隠れる者

【引用】第1に、ホテルの欠陥を教えてくれる点。 【出典】かんき出版『リッツ・カールトンで育まれたホスピタリティノート』P60 著:高野登

僕はホテルの場合、何か不満を抱えたら伝えるようなことはしません。 「次は違うところに泊まろ」 高野さんは言います。100人不満を抱えていても、言ってくれるのは3人。 不満を出してくれる3人の裏には97人もの人が隠れている。その中の1人が僕なわけです。 苦情一つを対処することが、100人の顧客を繋ぎとめることになるのなら、安いものかもしれません。

◆ 質問しやすい先生、文句の言いやすい後輩

とすると苦情を言われない、というのは大損です。 知らず知らずのうちに一人、また一人と顧客がいなくなっていくんだから。 冒頭の先生はこのあたりを素敵に実践していたのだと思います。 「…わからない…」 すぐに消えてしまう子どもたちの悩みを、質問しやすい雰囲気を作り出すことによって救っていたのだから。 そりゃ信頼も得るし、説明もドンドン上手くなる。 質問の列ができていたのもわかります。 言いやすい雰囲気→質問出る→真摯に答える→信頼感→質問増える→教え方上手くなる→信頼感→質問増える… すんごい好スパイラル。

【引用】顧客との関係を良好に保つためにも、苦情を言いやすい雰囲気を作るということは、実は大事なことなのです。 【出典】かんき出版『リッツ・カールトンで育まれたホスピタリティノート』P60 著:高野登

◆ その人となりが出る?

【引用】第2に、クレームに対してきちんと対応することで、企業の姿勢がお客様に伝わるということです。 【出典】かんき出版『リッツ・カールトンで育まれたホスピタリティノート』P60 著:高野登

質問しに行きました、「こんなんも判らへんのか!」では、ただ傷つくだけです。 そんなとき「おっ、ココね!よくつまづくんだよ♪えっと」と優しく教えてもらったら嬉しくなります。 信頼関係が生まれるのは前者か後者か? 苦情、悩みをこちらに向けてくる人というのは、ネガティブな状態である自分をこちらに示しているのですね。 つまり、マイナスです。 それを0にするだけでも何か良くなった気がする。これはある意味でチャンスではないでしょうか? あわよくばプラス状態、例えば10にできれば、 「0→10」と 「−100→10」では、振り幅が違います。 人は往々にしてコントラストで物事を感じとっています。 おなか普通状態のラーメンより、カラッカラの空腹状態で食べるラーメンの方が断然おいしい。 そういう意味で、マイナス状態の相手と対峙するクレーム処理は、またとないチャンス…オポチュニティ(機会)と言えるのかもしれません。

◆ といっても苦情はツラい

【引用】第3。クレームと向き合うのは心がつらく痛いもの。しかし「楽」をして逃げることをせず真摯に受け止めた者に、同僚たちは尊敬の拍手を送ることでしょう。 【出典】かんき出版『リッツ・カールトンで育まれたホスピタリティノート』P61 著:高野登

仕事では割り切って全ての苦情に対応していかなければいけないでしょう。 そんな中でも、ただただ理不尽なだけの苦情もあるかもしれない。 毎回毎回自分だけで受け止めていては潰れてしまいます。 そんなときは周りの友だち、仲間に一緒に受け止めてもらいませんか。 「よく頑張ってるよ」 それだけでまた歩き出せます。 話す相手がいなければ、一旦放り出してみる、それも手です。 人に怒られる、それは確かに学びの機会。心に留めておいて損はありません。 でも同時に、ときには「ま、いっか」ニコ♪、笑い飛ばしながら放り出すことも必要でしょう。 自分の成長によいバランスを保ちながら、怒られ上手になりたいものです。 長い文章、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。