その回ごと、その回の主人公が不思議な駄菓子(銭天堂)と出逢い、幸運をつかむか、不幸になってしまうか。
それがおもしろい。
廣嶋玲子さんの『銭天堂』1部を1巻から読み進めていましたが、ついに最終巻となってしまいました。
20巻。
また好きな言葉が出てきてしまったなぁ。
自分へのメッセージのようでした。
「もとどおりんごあめ」と出逢った主人公の秋吉金吾さん。
とある出来事で落ち込みます。
奥さんのしのぶさんは、金吾さんにこんなことを言います。
【引用】「今までどおり、楽しみながら修理をすればいいじゃないの。できないものはできないって、いっていいわけだし。だれかのためじゃなく、あなた自身が楽しむために修理をする。それが、なによりだいじなんじゃない?」【出典】株式会社偕成社『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂20』P125 著:廣嶋玲子
自分の趣味が、人の役に立つことがあります。
人の役に立つことは嬉しい。
でも、そうこうしているうちに何かが逆転してしまうことがある。
誰かの役に立つために、趣味をやるような。
悪くないけど、趣味を楽しめなくなったらもったいないと思う。
はじめはテニスだったかな。
大学入って、学校しょって、団体戦に出るようになりました。
勝つと、部員のみんなが喜んでくれます。
純粋にテニスを楽しんで練習していたときはよかった。
団体のために、勝つために練習するようになって、苦しくなりました。
勝てない、できない、ねばれない。
あんなに楽しかったテニスが、苦行になっちゃった。
ブログもそうでした。
書くのが楽しくて、自分の勉強したことをまとめて、ホームページにしていました。
どんどんアクセスが増えるようになって、それが嬉しくなりました。
いつしか、アクセスが取れるような記事を狙うようになって、こっちも苦しくなりました。
楽しくなくなると、もう趣味じゃいよなぁって。
【引用】みんな、笑っている。おこってもがっかりしてもいない。ああ、しのぶのいうとおりだ。気にしなくていいんだ。そもそも、「もとどおりんごあめ」を食べたのだって、ごみにされてしまったものを直したいという想いからだった。そうだ。いちばんの目的は、ものを修理すること。もし、そのことをよろこんでくれる人がいれば、それはボーナスみたいなものだ。これからは、そういう気持ちで修理をしていこう。
心は決まり、金吾はにやっと笑ってみせた。【出典】株式会社偕成社『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂20』P127-128 著:廣嶋玲子
楽しんでいけばいいんだよな。
テニスで勝ってうれしいのは、ボーナスみたいなもの。
ブログを読まれて感謝されるのは、ボーナスみたいなもの。
銭天堂、素敵な児童書でした。
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何巻でもいいから読んでみてください。
楽しいですよ。
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