アイデアホイホイ

とある先生、学びの記録(肺炎療養中)

『アルプス席の母』読了。この視点で語られる高校野球は初めて

泣いた。
漫画、小説、アニメ、映画、今まで野球、部活物の物語にふれたことはありました。
その数は多くないのですが、子を応援する「母視点」で語られた物語は初めてです。

母1人、子1人。野球を応援してくれていた父は他界。
主人公の秋山菜々子は、息子(こうたろう)が野球をやるというから、応援している。
別に野球でなくたってかまわない。
息子だから応援しているのだ。

「子どもを人質に取られとるみたいでホンマに腹が立つ」
「ホンマに野球部なんて大嫌いや」

唯一、心を許せる野球部のママ友、香澄は菜々子の気持ちを直球で代弁してくれる。

そんな菜々子が語る一人称小説だから、感情移入しきった私は、

「スポーツの世界って汚い」
「指導者が神様って終わってんな」

なんて感じてしまう。
でも、それもこれも著者、早見和真さんの手腕なんだろうな。
菜々子は母。母から見た野球部の世界。偏った見方でいい。

ただ、その偏った見方がどうなっていくかは、読んでからのお楽しみ。
ちなみに、ネタバレにならぬよう詩的な言い回しになってしまうのですが、菜々子が、もう1人の「こうたろう」に出逢うとき、その側にいた香澄とともに、私は泣きました。

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小学館『アルプス席の母』著:早見和真

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