「ゆるキャラのドラえもんがさぁ」
食事中、息子が話し出す。
いやいや、ドラえもんは、ゆるキャラではない、とツッコむとカミさんと娘が追従した。
「そうよ。ドラえもんは国民的キャラよ」
「ゆるキャラなんて、失礼じゃない」
いや、そう言ってしまうと、今度は、ゆるキャラに失礼では。そして、ゆるキャラの中にも国民的キャラがいそうな。またまた、そうツッコむ。
「まぁ、確かに。そうねぇ」
「うん。ゆるキャラは失礼ではない。立派なキャラよね」
「でも、ドラえもんは、ゆるくない。ゆるそうで、ゆるくない」
「ってか、ゆるいって、どこまでだ。どこまでがゆるくなるの」
ドラえもんよりドラミちゃんの方が、ゆるくなさそう。
ピカチュウもゆるくない。ちびまる子ちゃんまでいくと、まったく違う気がする。
すみっこぐらしは、ゆるそう。
線引きが、できない。
しばしの沈黙。止まる時間。
ふと、息子が口をひらいた。
「で、ドラえもんがさ」
再び時が流れ出す。ゆるく。