アイデアホイホイ〜3分のヒマつぶし

入れて出す、3分間・・・アイデアを、だよ?

アイデアホイホイセイレーン

ごん、お前だったのか?

『ごんぎつね』という名作がある。

■ 『ごんぎつね』あらすじ

いたずら好きの狐(ごん)と、兵十のお話で、国語の教科書にものっている。
兵十へのいたずらが過ぎて、悪いことしたなぁと感じたのか、兵十の家にこっそり山のものを届けるお話。

ごんだけど、ドンと兵十に撃たれて、そのとき兵十は気づく。

「ごん、お前だったのか。いつもくりをくれたのは。」

なかなか考えるところが多い作品だが、田舎に住んでいるとこういうことはよくある。

■ リアルごんぎつね

よくあるといっても、

ドン・・・

「田戸中さん、あなただったのか。いつも野菜をくれたのは。」

田戸中さんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなづきました。・・・ではない。
もっと平和的な部分。お家に山のものが届くシーンである。

「高瀬さん、うちでいっぱいキュウリ取れたから、ちょっと手伝ってくれない?」
「えええ!立派なキュウリ♪うれしい、うれしい!!ありがとう♪」

「先生、レタス持ってって!ハネ出しだけど!」
「いいんですか!?いただきます!!」

季節のものがたくさん集まってくるので、実はうちも余るほどあるのだが、そんなことを言ってはいけない。
あげるも愛情、なら、もらうのも愛情なのだ。

正直いうと、くれなくなるのはもっとイヤだしね。

■ ふと現れるカボチャ

実際こっちの方が『ごんぎつね』に近い。

この間、家に帰ると玄関先に段ボールが置かれている。
物騒な世の中ではあるが、場所によってはノーマークで開ける地域もある。
うちがそうだ。

あけてみると、段ボールいっぱにつめられた坊ちゃんカボチャであった。
手紙は、無い。メッセージらしきものはなにもない。うちの奥さんも困った様子で、

「誰からだろう」
「・・・きっと、、ごんだね」

すかさず、ゴーンと殴られる。

「田戸中さんかしら」
「坊ちゃんカボチャといえば、そんな気がする」
「お返しにペットボトルでいいかしら」

ということで、気を遣わない程度袋に入れて、持って行くことにした。

ぴーんぽーん

「高瀬ですぅ~」
「あぁはぁ~い」

と、開く玄関。白い袋を突き出しながら、

「いつもありがとうございます♪」
「えっとなんだっけ??」
「坊ちゃんカボチャ!美味しくいただきました♪お礼にこれ!」
「いやぁ、去年の話なのに悪いねぇ♪」
「え?・・・そ、そうなんです♪美味しかったなぁ、あのカボチャ!」

と、なんとか話をつなぎ、ペットボトルをわたしてしまったのである。

まじで、ごん、お前だったのか?と言いたい。