【引用】藪から駆け寄ってきたものの、ちょっとためらうように立ち止まり、黒い瞳を光らせて、じっとヴァンを見つめている。
「……<暁>」
声をかけて、ピチッと舌を鳴らすと、その耳がぴくっとうごいた。
甘えた声を立てながら近づいてきて、長の不在を咎めるようにちょっと鼻先でこづいてから、首を胸にすりつけてきた。
その匂いを嗅ぎ、背と首を撫で、胴に腕をまわして、ヴァンは喉をふるわせた。止めようもなく涙があふれて、頬を伝っていく。
「……でかくなったな、<暁>。おまえ、親父そっくりになったじゃないか」
【出典】株式会社KADOKAEWA『鹿の王 <下>-還って行く者-』P114-115 著:上橋菜穂子
動物との絆を、上橋菜穂子さんが描いているシーンで、私はいつも止めようもない涙をあふれさせている気がする。
誰かぁ、一緒に読んでくれないか。
一緒に感動して語り合おうよ。
まだ結末まで読んでないけど、ここで涙を流したわけを、ネタバレ関係なく話したいよ。
親子の愛、動物との愛、、、もう尊すぎる。
ということで、<下>読んでます。