浅田次郎さんの本です。
高校の時、友だちにすすめられました。
「抱腹絶倒」「感涙必須」そんな言葉を並べ立てられたら興醒めでしょ?
ミーハーしか読まないよ、そんなこと言われたら。
高校のとき、本を読むのが苦手な私でしたが、超絶ミーハーだったのです。
もうね、まさか読んじゃったのです。
一巻読み切ることなんて無理だった私が、一巻、二巻、三巻、、、そして四巻までも。
ただ笑って泣いた思い出だけが残っていまして、なんとなく覚えているのは、ダメダメ暴力作家とヤクザの親族が巻き起こす群像劇であると、そんな感じでした。
それから二十数年です。
色々な恋をし、多少、人生の辛酸を舐め、人の親となり、なんて色々スペックも変わりました。
感じ方も変わるでしょうね、同じ本を読んでも。
また笑いました。
そしてまた泣きました。
一巻<夏>…FAXが届きまくるシーンで、
二巻<秋>…ロートル巡査が無理して出世した後輩刑事に語るシーンで、
三巻<冬>…愛を知らぬ暴力作家が、亡き父からの手紙にて教わった愛を受け継ぐシーンで、
四巻<春>…親の愛情、子の愛情が見えるシーン全てで、
泣きました。
最後の春などは、旅行中のサービスエリア、
家族の買い物を待つ駐車場で読んで泣いてました。
「お父さん?」
「あ、あぁ、花粉症きっついなぁ」
誤魔化すのに花粉症て。
さめざめと流れてしまう涙なんて、そうそう流す?
「お母さん・・・」って泣いてたもん。感情移入もはなはだしい。
このホテルに集う人々は、従業員だろうが、お客人だろうが一癖も二癖もあるような人々。
そんな闇でもなんでも抱え込んでやってきた人たちが、どうしてか垢を落とすように癒され笑顔で帰っていく。
いってみたいなぁ、奥湯元あじさいホテル…プリズンホテルに。
ただ、このホテルに呼ばれるほどには、苦労も病みも足りないな、私は。
疑似体験ではあったけれど、夏・秋・冬・春を作家さんたちと過ごせてよかったなぁ。
どんなことが起こるかを教えるのはもったいなすぎる。
あなたもぜひ、このツアーに参加してみてください♪
ちょっと、人生観・・・変わるよ。