今回のテーマは「書けない」をなくすである。
「学校では教えない」なんて銘打ったが、何のことはない、「たくさん書いて、後から削る」方式である。
【目次】
■ 「書けない」をなくしたい
「書けない」というのは、心理的に
- 「いい文章を書かないといけない」
- 「正しい文章を書かないといけない」
という考えが邪魔をしていることが多い。
特に私の目の前の生徒さんはそうだ。
そりゃそうだろう。文章を上手くなりたいと思って講義を受けているのだから。
「書けない」「何も浮かばない」と筆が進まないのはもったいない。
そもそも始まらない。
伝えたことは1つ。
とにかく書き始めよう。思ったことをなんでも。
示範してみる。
■ 書きはじめ、書きまくる示範
生徒からテーマを募集した。
「モグラ」だそうだ。
よかった、「ゲシュタルトの崩壊」とかいわれなくて。
書けなくもないが、「知らない」ってことをとうとうと語らねばならぬところである。
「『ゲシュタルトの崩壊』ってなんだっけ?ちょっとゲシュタルトな崩壊が起こっちゃったみたいでぇ~」
さて、生徒の前で書き始める。
【示範】
「モグラ」いったい何を書けばいいのか。あの人って土の中をもぐるんだよな。手で掘って、暗いところが好き。いや、意外と暗いところが嫌いなモグラもいたりして。自分は土を掘るのも苦手なら、暗いところも好きではない。ほっていて友だちにはどうやってあうんだろう。仲間意識とかあるのかしら。家族とは暮らす?ちょっと待て。そもそも奥さんと、どうやって出遭うのだろう。いや、「出遭う」って書くとうちの奥さんとの出遭いみたいだから、「出逢う」にするか。するとロマンチック。
どうやって出逢うのだろう。「おりゃーーー」と掘っていて、向こうからも「どぁぁぁー」って掘っていて、ゴッツンこして、
「な、なんだ!?」
「な、なによ!」
「あ、、ごめん(か、かわいい)」
「いや、そ、その(何あのツメ、かっこいい)こ、こちらこそ」
「「こ、このあとなんだけど」」重なる声、
「え?なに?」
「そ、そっちからいってよ」
「一緒に掘らない?」
ちょっと、とってもロマンチック。穴と穴を掘った軌跡がブツかり奇跡を生む的な?
■ 生徒の様子
無限に書けるので、時間を区切って始める。
一度書き始めると止まらないようで、ドンドン書いていく生徒さんたち。
「先生が思ったことをテキトウに書いていくのがすごいと思いました。」
「書いているうちにテーマが決まってくる様子が分かりました。」
「こんなにたくさん書けたのは、ちょっと初めてです。ノート6ページにもなってしまいました。」
ようなことを講義終わりで感想を述べてくれました。
■ 段落、組み立て、題名なんて後でいい
上の【示範】では、一応の段落を作ったが、ほんというと段落すらどうでもいい。
事実、生徒の前では全無視で書き殴る。
「THE とにかく書く」だ。
組み立ても、題名も後でいい。
そして、いらぬところをザックり削っていく。
【モグラのように恋したい】
土を掘る。掘りまくる。掘って掘って掘りまくる。何も調べてないがモグラってそうなんだろうな、って思う。
オスもメスも掘っていて、その掘った軌跡が重なったとき、奇跡が起こるのだろうか。「おりゃーーー」
ゴッツン、「な、なんだ!?」
「な、なによ!」
「あ、、ごめん(か、かわいい。この子は、、、人生初の・・・メス)」
「いや、そ、その(何あのツメ、かっこいい。この人、、、初めて逢う・・・オス)こ、こちらこそ」
「「こ、このあとなんだけど」」重なる声、
「え?なに?」
「そ、そっちからいってよ」
「一緒に掘らない?」掘った穴が出逢い、2つ重なって進んでいく。なんと素敵なことでしょう。
どうも私は出会いが多すぎて、軽視しているところがある気がする。土を掘っていて出逢う確率も相当なものだと思うが、70億の1人と1人が出逢うのも、大概奇跡だろう。伴侶のこと、出逢えたことを奇跡に思い大事にしたいのだが、いざ家にてゴッツンこすると。「おかえり」
「おう、ただいま」出遭っちゃった感でちゃうのだよ。ああ、モグラのような恋がしたい。
ただ案外モグラも…
作文って楽しいよねぇ♪フィクションですよ?本当に思っているわけではなくてですね、
ほんと、愛してます。大好きです。