「たまには太一のあそびをやってよ!」
と怒るのは太一(息子・4歳)である。
「いいよ?」
とアフロ(私)が答えると。
「いいよ」
と、いろは(娘・6歳)も答える。
いろはとやっていた三目並べゲームの手を止め、太一の元にいくと、
「お医者さんごっこしよ♪」
ニコニコである。
太一はお医者さん(耳鼻科)、いろはは看護師さん、アフロは患者さんと配役が決まった。
太一「いらっしゃいませ」
のっけからおかしいが、そこは大人の対応、スマートに流していく。
太一「どうされましたか」
アフロ「いやぁ、ちょっと耳が痛くて」
太一「うーん。ちょっと胸の音をきいてみましょう」
む、むね?
アフロ「どうですか?」
太一「熱があるようです」
ね、ねつ?
いろは「点滴ですか?先生」
点滴??
太一「うん、つれていって」
いろは「はい」
マットレスの上につれていかれ、寝かされる。
いろは「痛いですよぉ~」
アフロ「はい」
太一「おとうさん?」
アフロ「なに?」
太一「泣いて。泣いて痛がって」
アフロ「え?…えぇぇぇ~ん。痛いよぉ~」
いろは「まだやってません」
えぇぇぇ…
太一「こわがって。こわがって泣いて」
アフロ「こ、こわいよぉ~~」
いろは「ちょっと、点滴ってほんっっっとうにこわいんだから、本気出して」
マジですか?「本気」と書いてマジですか。
アフロ「いやだぁぁぁぁ!やりたくないよぉぉぉぉ!」
いろは「はい、すぐ終わりますからねぇ~」
太一「はい、耳にも注射しますよぉ~」
アフロ「な、なんで?」
太一「耳、痛いんでしょ?」
アフロ「そう、そうなんだけど」
太一「痛くないですからねぇ~…痛がって?お父さん」
…ひどいヤブ医者だ。
アフロ「いたぁぁぁぁぁぁい!」
太一「はい終わった!すぐでしょ?大丈夫大丈夫!いいこだったよ」
アフロ「大人なんですけど」
いろは「はい、この針抜かないでくださいねぇ~」
て、点滴続いてる!?
いろは「はい、これ、ひっぱっていってください」
て、点滴小道具!?
いろは「こちらへどうぞ」
太一の前に連れて行かれる。
いろは「どうですか?先生…」
太一「うーん…これお医者さんに診せた方がいいですよ」
ここどこやってん!
ディテ(嫁さん)「ぎゃははははは!」
家中をこだまする母の笑いに、娘と息子は笑顔になった。
ただ呆然とするのはアフロ(私)だけであったとさ。
ほなまた!