「いろは、何がほしいかなぁ?」
というのが会話の発端である。
そう、明日はいろはの誕生日。
何か誕生日プレゼントの一つでもと思うのだが、2歳に終わりを告げようとしている子どもが、いったい何をほしいのやら、どうも想像がつかない。
直接聞いてみたところ、
いろは「しばたファミリーのおうち♪」
柴田?
お父さんはアフロファミリーのおうちが欲しいぞ、と思いながら、どうやらシルバニアファミリーのおうちだそうで、うーん、それはワケあってお父さんたちからはプレゼントできないんだなぁ。
「このさいipadなんかどう?タブレットでアルバムいじるの好きやん?きっと。」
と私がいうと、
もうなんていうか…バカ?みたいな目をこちらに向けながらディテさんは、
「あなたがほしいだけでしょ?まじめに考えてよ。」
ピシャリと言われてしまう。
「箱とかどう?」
「箱!?」
「ほら、いろはの大切なものいれる、太一にあけられないような箱」
「なるほど、箱ねぇ。いいわねぇ」
「椅子になる箱とかは?」
「えぇ?あの鏡台の前とかにあるような?」
「いろはなら『いすにもなるの!?』ってお得感にやられてまうと思うんやけど。」
夫婦の会話がわりかし盛り上がってきたなぁと思った瞬間煮詰まって沈黙。
そしてディテさん
「食器洗い器なんてどう?ほら『いろはも洗い物手伝える♪』なんていいながらさぁ♪」
結局自分の欲しい物しか見えないダメ両親でしたとさ。