新しい生活が始まるというのはワクワクするものである。 ２月末という変な時期に引っ越ししてきて、はや５ヶ月。 そんな時期に引越したのも明日という日を迎えるためである。 そう明日、アフロジュニアこと「おいろはん」とアフロディテこと「ディテ(嫁)」が帰ってくる。 ２月末から５月末までは二人暮らし…甘い愛の巣だったこの部屋も、今日までは一人暮らし…酸っぱい男の巣で、明日からは三人暮らしだ。 いったい何の巣なのか？ 何の巣なのかはどうでもいいが、アフロディテはその名にふさわしく、ギリシャ神話のような顔で雷を落とすことができる。 元愛の巣であったこの部屋が酸っぱい匂いを発しているのは、決して私のせいだけではない。 「シロキチ」「妹子」のせいでもあるのだ。しかし、確実に滅されるのは私のみである。 理不尽さもギリシャ神話級だ。美しさもギリシャ神話並であればいいのに…なんていうと火に油を注ぎ、ディテだけではなく、もっと恐ろしい神「おいろはん」まで怒らせてしまいそうなのでやめておこう。 と、こんな話をしている場合ではない。せめて「酸っぱい匂いのする片づいた部屋」ぐらいにしとかなければ、神々に失礼であろう。
