バレンタインには苦い思い出がある。小さい頃の話だ。 女の子が、 「夕方、アフロ君の家を訪ねてもいいですか？渡したいものがあるの」 と。 「ええけど、もしおらんかったら家の誰かにことづけといて」 直接会うのが恥ずかしくて、その時間、家を留守にした…のだと思う。 家にはハート型のチョコケーキが届いていた。 アフロ母「すごいやーん。女の子からチョコやて。」 アフロ妹「お兄ちゃんが！？信じられへん！」 冷やかしも手伝って、恥ずかしさから、 アフロ「俺、いらん。食べてもて！」 アフロ母「そんなんいいなやぁ」 結局どうしたのか忘れたが、きっと食べなかったのだと思う。…なんだか苦いのだ、この思い出は。 それからというもの、 ディテ(嫁)「はい、バレンタインのチョコ！」 アフロ「やった！ロイズやん！」 ディテ「うん！美味しそうでしょ？一口ちょうだい♪」 アフロ「絶対…やらん」 ディテ「なんで！？」 アフロ「やらんていったらやらん」 自分個人へのバレンタインチョコは、独り占めすることに決めている。 ま、そんな決心ができるのは、小栗旬ほどチョコをもらったりしないからでもあるが。
