足に不自由が出たときのなんともいえないモドカシサを綴ったのかどうか忘れてしまったので、今日をその日とする。 松葉杖をついていて困るのが、いちいち移動にかなりのスペースを消費すること。なんだか知らないが、ヒト三人で肩を組み移動しているような感じであった。 やや移動に時間がかかる、というのもなかなかクセモノである。 私はトイレをギリギリまで我慢するタチなので、
「あ、いかなやばい…あぁっ！足、不自由やった！うをっ！しかも松葉杖やった！！」 少々あせりをともなったご不浄となってしまう。 ギリギリのラインで駆け込み、片足立ちで小便器に発射した。 「俺は犬かっ」 ストレス、これは非常にストレスだ。 電車にも間に合わない。 この時間に出ればゆっくり行っても間に合う、そんな時間に出たとしてもギリギリ目の前を電車が「出発進行！」していく。 そんな話を聞いて、 「送っていってあげるよ！」 と有り難く送っていってもらい、 「ありがとうございました！」 送迎車を見送りホームへ入ろうとしたところで財布を忘れたことに気づき、結局死にものぐるいで戻る、という失態を犯してしまう。 そんなことだってありうる。 私がしたとは言わないが、そんなこともありうるのだ。 「あれ？送っていってもらったんじゃ？」 「定期を会社に忘れ…」 「ってことは今日は泊まりだね。おはよう♪」 横断歩道をわたるのに間に合わないこともあった。今はギブスをはめているとはいえ松葉杖もとれている。「足が三本くらい折れた」かと思ったあの激痛はもうない。 幸せなことだ。歩ける喜び、プライスレス。 俺の足、いつもがさつに扱ってごめんな、許してよ、ありがとう、ほんま愛してる。
