アイデアホイホイ〜3分のヒマつぶし

入れて出す、3分間・・・アイデアを、だよ?

アイデアホイホイセイレーン

クリームパンの食べ方が生き方

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昔、私が幼稚園のときの話である。 ある男の子がわんわん泣いていた。 弁当を忘れたのか持たされなかったのか 「ぜんぜぇ、ひる゛あらへん」 と、わめいていた。 かわいそ… お昼前になると、その子は連れられ、 いただきますのときには、バスの運ちゃんおじちゃんに手を引かれて帰ってきた。 手には菓子パンを持っている。 かわいそうじゃ、ない。 見つめながら、 ぼくも、かしパンたべたい… そっと弁当箱を押して、膝から落とそうとした瞬間、 ガシっ 隣りに座っていた宮野ゆきちゃんが私の腕を掴み 「やめとき、菓子パン食べたいんはあんただけとちゃうで。ほら見てみいな。みんなパン横目で見ながら弁当箱しっかり握ってるがな。 昔あんたと同じことして張り付け獄門、お昼抜きのそらぁエラい目にあった子がおるらしいんやわ。 わるいこと言わへん。やめときって」 と言った、気がする。 その子が食べていたのはクリームパンであった。 クリームパンはそれ以来の好物で、母親とパン屋にいくたびに、よくおねだりしていたものだ。 中にはケチなパン屋もあって、パンの中を占めるクリームの割合が極度に低いものがある。 それに当たったときは、 「クリームパンやのにクリームパンやない部分が多すぎるで、これ」 少しキレ気味で子どもなりに対処法を考えた。 まずまわりのパンだけ食べる。クリームが出てくるギリギリまでまわりを食べる。 ハンバーガーみたく、クリームサンドになった状態にして 「いただきます」 いっきにほおばるのだ。 これは待たされるぶん、最後の一口の幸せが大きくなる。 もう病みつきになった。 食パンもミミから食べ、ジャムパンなども全部この方法で食べた時期がある。 なぜだかしらないが、今はクリームパンだけにその名残が残っている。 そう思っていたのだが、先日私がこの食べ方をしていると、隣りにいた友人が、 「お前、好きなもの後に残して食べていくタイプだろ」 当たっている。 どうやら、食べ方全てに影響が残っているらしい。 「仕事もイヤなものからこなすやろ? 読みだい本後にまわして積んでしまう、 やりたいRPGおいておいて判らなくなって売ってしまう、 本命になかなか声かけんと最後に抜け駆けするタイプやな」 クリームパンの食べ方が人生全般に影響しているかもしれない。