布団を干し、窓際のパソコンに向かい、 「さてやるか」 そのとたんに雨が降り出した。 ツイてる。 今日は洗濯をしなくていい日らしい。 急いで取り込み部屋に投げ入れる。 またパソコンに向かい、ふと、しばらくたってから布団の方を見てみると、
うちの妹子とシロキチのお眼鏡にかなったらしい。
いつもの部屋の環境が悪いわけではないと思うのだが、うちの二匹は鑑定が甘い。 少しくらい濡れていたっておかまいなしだ。猫がヒザの上に乗ってくれると、なんともいえないあたたかさがこみ上げてくる。 ガンコでガミガミな先生にほめられたときの嬉しさというか、 気分屋の彼女が甘えてくれたときのときめきというか。 妹子とシロキチには感謝している。 ソファーに座ればシロキチはヒザの上に乗ってくれるし、妹子は 「なでて?」 とすり寄ってくる。 必要とされている感じ、疲れた心が満たされる。 妹子もシロキチも、私にだけ特別というわけではない。 久しぶりに訪ねてきた人も、初めて部屋に来た人にだって甘えていく。 鑑定が甘すぎるのだ。 そこに、ちょっぴり切なさを感じつつもイイ奴らだと思う。 「あなたは大切な人よ」 「あなたのそばは居心地がいいわ」 そう教えてくれる人は、誰かを幸せにする。 そして、誰かを幸せにできるなんて、その人自身が一番幸せな気がする。 甘い鑑定は仕事にならないし、いつもほめられていれば慣れてしまうのかもしれない。 でも、ちょっぴりでも毎日人を幸せにしながら自分も幸せになれるなら、鑑定の成果など大したことでもないのだろう。
おやすみなさい、あまい鑑定家さん。